ウナギ 井田徹冶
私はウナギが好き(食べる専門ですが)なので
タイトルにつられて買いました。
ウナギは地球環境を語る魚である。
この本のサブタイトルである。これをもとに感想を述べようと思う。
「ウナギは世界全体で減少傾向にある。欧州ウナギの減少が顕著で絶滅の恐れもある。日本ウナギも同様に減少が著しく、将来ウナギが食べられなくなる日が来るかもしれない。」という事が最近の調査から分かった。ウナギは環境の変化に敏感だそうだ。そのためウナギは、環境や水質の汚染、河川の開発などにより住む場所を追われ数が減少してしまった。また、減少の原因は環境の変化だけではないらしい。ウナギの供給量が減ったことにより、ウナギの価格の上昇し、乱獲が行われたことも原因のようだ。乱獲により、ウナギの量が減る。すると、産卵量も必然的に減り、生まれてくるウナギの量も減る。環境汚染とも重なって掛け算のようにどんどんウナギは減っていく。悪循環に陥ってしまった。 この原因は、いったいどこにあるのだろうか?それは、政府の行動の遅さにあると思う。例えば、ウナギの需要が増えたら、より多くのウナギを捕ろうと考える人が現れることくらい予想できたはずであり、政府は規制を設けるなど対策を取れたはずである。しかし、行わなかった。減ったと気付いてからではもう遅い。欧州のように、取り返しがつかなくなる前に日本政府には対策をしてもらいたい。
対策に関して、自分なりに考えてみた。具体的には、4つ。1、環境汚染への規制 2、稚魚の放流 3、ウナギ研究への援助増加 4、河川開発の改良 が主なものとなるだろう。
政府の予算は限られており、こういった対策にお金を回す余裕などないという主張もわかる。しかし、ウナギ好きな私としては、将来ウナギがいない世界など信じられない。ウナギだけではなく、他の動植物にも同じ事が言える。トキ、アユ、熱帯雨林、上げたらきりがない。人間の開発により、減少し絶滅の危機に瀕している。このまま環境破壊が進めば、人間は空気が管理されたドームの中でしか生きられない、映画のような世界が待っているかもしれない。