ローマ人の物語(2)

 民主政体を機能させるのに、民主主義者である必要はない。この言葉は、ペリク
レスの時代にはピッタリあてはまる。ペリクレスは、表向きは直接民主制に見えるよ
うな政権運営をしていたが、実際は彼の独裁と言っても過言ではなかった。彼の突出
した政治的能力がなければ、うまく機能しなかったであろう。ペリクレス政権が絶頂
を向かえる中、視察に訪れたローマの3人の使者たちは、彼が行っている政治は彼なし
で機能しないことをいとも簡単に見破る。栄華を極めた国を模倣しようと簡単に思
わない彼らには賞賛の言葉を送りたい。
 一方、ローマではケルト人襲来を経験し、国は崩壊する。今まで気づきあげた同
盟間の信頼、または神殿、都市の設備、金貨など、すべてを失い、彼らはまた振り出
しに戻ったのである。しかし、彼らはどん底に落ちようとも這い上がってくる。この
根性には目を見張るものがある。ローマ人が国の再建をはじめる所で2巻は終わってい
る。